内藤明は、日本の写真教育機関として長い歴史を持つ東京工芸大学において教鞭を執りながら、自身 も制作者としてゼラチンシルバープリントを中心とした制作を行ってきました。

 昨年には、2002 年以降に制作した作品で構成した写真展「light」を、スタイケントーキョ―にて行 いましたが、今回も全て新たに撮影を行い、作者自らがプリントした作品による展覧会「in the wind」 を同会場にて開催いたします。

 作者は、制作活動を開始した 1970 年代から現在に至るまで、40 年間変わることなく写真による表 現と描写に拘り、その追求を続けてきました。写真の視覚的なイメージは、光学的な材料や化学的な処 理など、システムやプロセスによって形作られ、両者は分かち難く結び付いています。1 秒間の何十分 の 1 という僅かな時間にフィルム上に結ばれた光の像が、数ミクロンの銀の粒へと置き換えられていく 過程と現象への深い感興が内藤の制作の根底にあります。そうして生み出される作品には時間的・空間 的に代替不可能な「光」の存在が刻まれているかのようです。

 

「かつてそこにあったその光が化学的に痕跡を生成し具象的な物質になる手順はたまらなくセンチメ ンタル。そしてそれがもたらす快。このことの繰り返し。閉じた軌道を周回しているだけかもしれない。 そう未だ本質に到達していないのだろう。それ故今は風の中に。」

 

 このように語る内藤にとって、本展は自身初となる東南アジアへの旅の中で撮影した作品で構成され ており、新たな視点への挑戦とも言える内容になっております。 懐かしさと同時に新しい世界への憧憬を予感させるような「風」を感じて頂ければと思います。

 

 

 

略歴

 

1985 年 東京工芸大学短期大学部 講師
2005 年 東京工芸大学芸術学部 教授
2008 年 東京工芸大学芸術学部 芸術学部長
2013 年 日本写真芸術学会 会長
2014 年 東京工芸大学 退職
東京工芸大学 名誉教授
個展•受賞|
1979 年 写真展「真昼時」 新宿ニコンサロン
2006 年 写真展「真昼」 アートスペースモーター
2010 年 日本写真学会 功労賞
2014 年 写真展「light」 スタイケントーキョー

 

個展•受賞

 

1979 年 写真展「真昼時」 新宿ニコンサロン

2006 年 写真展「真昼」 アートスペースモーター

2010 年 日本写真学会 功労賞

2014 年 写真展「light」 スタイケントーキョー

in the wind

( 内藤 明写真展実行委員会プレスリリースより )